序幕
私、ツいていない。
絶対、絶対、ツいていない。
床と呼ぶのも烏滸がましい冷たく硬い感触の上でぎゅうっと膝を抱え込みながら、私はそう確信した。
籤引きで席替えをすると冬に限って入り口付近の席になるとか、マークシート形式のテストで勘でマークした問題が全部外れるとか、遅刻しそうな時にあと少しのところでバスに置いて行かれるとか、もう全然そういった次元ではなく、ツいていないのだ。
断言する。
全世界レベルで見ても、私は不運だ。
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